肝臓でお困りの方へ
肝臓の疾患
肝臓が心配な方へ
ご存知のように肝臓は“沈黙の臓器”といわれています。実は肝臓は余力のある臓器で、病気がかなり進行するまでは、症状としてその機能不全は表には出てきません。国内において、今までは、ウイルス性の肝炎が肝臓を悪くする主だった原因でした。しかしながら、C型肝炎は飲み薬だけで治癒できるようになり、B型肝炎も飲み薬で病態をコントロールできるようになっています。まずは、B型肝炎やC型肝炎がないか調べましょう。
現在では、飲みすぎや食べすぎを原因とした脂肪肝からの肝臓の病態進行が世界的にも危惧されています。脂肪肝は身近な生活習慣から起こってきますので、一番重要なのは、どの程度の状態であるのかを定期的にチェックすることです。
チェック方法として、2つの方法があります。
肝臓内科で診る主な疾患
B型肝炎・C型肝炎などのウイルス性肝炎、脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変、肝臓がん、
アルコール性肝障害、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変
肝臓疾患の原因
ウイルス性、薬剤性、自己免疫性、アルコール性、代謝性、循環障害性
肝臓疾患の場合、自覚症状が出ないことも多く発見が遅れることが多くあります。
治療にあたり早期発見が何よりの特効薬となりますので、下記にお心当たりの方は早めに当クリニックへの受診をお勧めします。
①血液検査で調べる
一般内科や検診等で測定されることが多い年齢、AST、ALT、血小板値から判定できるFib-4検査が有用です。
下記サイトから計算できます。
Fib-4検査はコチラ
この値が1.45以下であれば肝臓の線維化の可能性が低く(進行していない)、2.67以上で肝臓の線維化の可能性が高い(進行している)とされています。
また、血清ALT値(一般的な肝臓の検査)が正常値であってもFib-4値が1.659以上であれば肝線維化の可能性がありますので、他の検査をしましょう。
文献
Sterling RK, et al:Hepatology. 2006;43(6): 1317-25.
Sumida Y, et al:BMC Gastroenterol. 2012;12:2.
Yoneda M, et al:J Gastroenterol. 2013;48(9): 1051-60.
②画像検査で調べる
エラストグラフィー検査
エラストグラフィーは硬さを調べる検査で肝臓の硬さをMRIやエコーを用いて調べます。肝臓が悪くなると肝硬変と呼ばれます。文字通り、肝臓が硬く変わるわけです。
肝臓の硬さの度合いによって、肝臓の現在の状態がわかります。
当院でもエコーを用いたエラストグラフィー検査を実施しています。
肝臓疾患は大きく2つに分類されます。
①急性肝疾患
急性に進行する肝臓の炎症状態を急性肝炎といいます。原因のほとんどがウイルス感染や薬剤によるもので、症状のひどくなったものを劇症肝炎といいます。
②慢性肝疾患
肝臓の炎症が6か月以上続いている状態をいいます。原因の70%がB型・C型ウイルスの感染です。さらに病気が進行した状態を肝硬変と呼びます。
急性肝炎
急性肝炎の原因には、多くのものがありますが、日本において重要なのはウイルス性肝炎です。肝臓に病気を引き起こす肝炎ウイルスには、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎があります。その中で、A型肝炎とE型肝炎は急性肝炎しか起こしませんが、B型肝炎とC型肝炎は急性肝炎、慢性肝炎双方の原因となります。D型肝炎は日本では極めてまれです。また、A型肝炎と E型肝炎は経口的に感染しますが、B型肝炎、C型肝炎とD型肝炎は非経口的に主として血液を介して感染します。
臨床症状
A型、B型およびC型肝炎は、同じような経過をとることが多く、前駆期、黄疸期、回復期に分けられます。多くの急性肝炎は、自己回復の傾向を示す疾患であり、最も軽度の場合は、何ら臨床症状を伴わず、血清トランスアミナーゼ値の上昇だけがみられることがあります。しかし、一部に重症肝炎、劇症肝炎に進展する症例があり、“致命的になり得る疾患”としての認識が必要です。
劇症肝炎(急性肝不全)
劇症肝炎は、“初発症状出現後8週以内に昏睡II度以上の肝性脳症をきたし、プロトロンビン時間が40%以下に低下する肝炎”(犬山分類)と定義されています。10日以内に脳症が出現する急性型とそれ以降にみられる亜急性型に分類されています。また、肝性脳症はみられないが、プロトロンビン時間が40%以下に低下する場合は、重症肝炎と診断されます。劇症肝炎の生命予後は極めて不良で、救命率は、急性型で40~50%、亜急性型で20~30%と報告されています。
臨床症状
最も特徴的な症状は、肝性脳症です。昏睡I度の場合は診断が困難なことも多いですが、羽ばたき振戦がみられれば昏睡II度以上と診断されます。病態が進行すれば、感染症、循環動態の障害、脳浮腫、腎障害などの合併症が生じ、多臓器不全の状態を呈する場合もあります。
B型慢性肝炎
血液・体液を介して感染し、感染した年齢や宿主の免疫状態によって、一過性感染に終わって治癒する場合と感染が持続する場合に分かれます。健常成人が感染した場合は、ほとんどが一過性感染で治癒し、ウイルスの消失と終生免疫が成立します。一方で、3歳以下の乳幼児期(HBV陽性の母親から出産時に産道感染する場合が多い)に感染すると高率に持続感染が成立しやすい特徴があります。
近年の感染タイプには特に注意が必要です
日本人の大部分はジェノタイプBとCに分類されます。しかし近年、ジェノタイプA型の外来種の感染による急性肝炎が増加しており、ジェノタイプAの成人感染では、ジェノタイプB、Cと異なり、20~30%の割合で慢性化するとの報告もあり、注意が必要です。また、免疫抑制剤や抗がん剤などを治療中の免疫不全状態の患者さまにおいては、持続感染が起こることがあります。
臨床症状
慢性肝炎はしばしば無症状のまま経過し、血液検査でのみ異常がみられることも多い。C型肝炎と比較すると、患者さまごとに経過はさまざまで多様性があり、また同一の患者さまにおいても、時期により肝障害の程度に変動がみられます。無症状で経過していた患者さまが、突然、HBV DNAの激しい再燃が起こり、劇症肝炎を来すこともあります。
幼少期は肝機能正常で、HBe抗原陽性の無症候性キャリアとして経過しますが、成長するに伴いHBV免疫応答が成立し、肝炎が発症します。その後、HBe抗原陽性からHBe抗体陽性へとセロコンバージョンが起こり、肝炎が沈静化します。年率10~15%でセロコンバージョンが起こり、多く(70%)は、成人になるまでにHBe抗体陽性の無症候性キャリアに移行します。無症候性キャリアは、そのほとんどにおいて、病状の進行はみられず、肝硬変や肝細胞がんへの進展はみられません。一方、HBe抗原陽性またはHBe抗原陰性だがHBV DNA量の多い患者さまの中には、肝機能障害が持続し、肝硬変へと進行するものがみられます。
C型慢性肝炎
血液・体液を介して感染し、感染した年齢に関係なく高率に持続感染し、無治療の場合、その慢性化率は70~85%と言われています。慢性化した患者さまの大部分は炎症が持続し、肝細胞の死滅と再生を繰り返しながら、20年~30年かけて、階段を一段、一段登るようにゆっくり進展し、最終的には慢性肝炎から肝硬変を経て、肝臓癌が発生します。
臨床症状
慢性肝炎はしばしば無症状のまま経過し、血液検査でのみ異常がみられることも多い。進行は緩除であり、年余にわたってALTの上昇や変動がみられ、20年~30年の経過でHCV感染者の20~30%は肝硬変へ進展します。病変の進行に伴い、肝細胞癌の頻度は増加し、年率発癌は、F1ステージ0~4%、F2ステージ1~9%、F3ステージ5%、F4ステージ(肝硬変)7%といわれています。
約25%の症例では、ALT値が持続的に正常値を示し、肝線維化の進行および活動性は低く、肝硬変への進展がみられない患者さまがいます。しかしながら、すでに肝硬変に進行しているためALTが低値を示す患者さまや経過観察中にALT値が変動する患者さまがみられるので注意が必要です。
当院でも検査を受けられます
大阪市ではB型肝炎及びC型肝炎ウイルス検査を無料で実施しています。自覚症状がないまま肝炎ウイルスに感染している場合もありますので、過去に肝炎ウイルス検査を1回も受けたことがなく、対象者に該当する方は、肝炎ウイルス検査を受けることをおすすめします。平成30年4月より、市内取扱医療機関で受検できるようになりました。(大阪市HPより)
プラセンタ療法
プラセンタとは胎盤のことをいいます。胎盤は胎児が育つ為に必要な組織です。
胎盤の中にはたくさんの種類の生理活性物質が含まれています。この生理活性物質を効率
よく抽出した医療用医薬品が人胎盤由来プラセンタ製剤(ラエンネック)です。
元々は『慢性肝疾患に対する肝機能の改善と肝予備脳を賦活』する効果があり、慢性肝
炎や肝硬変の治療に使われてきました。しかし、近年では肝臓の改善効果だけではなく、
美肌・美白・アンチエイジングにも効果があるといわれております。
料金
・慢性肝疾患における肝機能の改善を目的とした投与については、保険適応です。(ただ
し、定期的な血液検査での肝機能のチェックが必要です)
・美肌・美白・アンチエイジング効果等を目的とした投与に対しては自費になります。
自費の場合
プラセンタ注射〔皮下〕 |
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初診料 | 2,000円(税込み) |
1アンプル | 1,000円(税込み) |
2アンプル | 1,500円(税込み) |